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magure-thumb.jpg〈マグレ岩〉と角笛の伝説

ニルスはガンたちとの旅を続け、9章では軍港の町カールスクローナへやってきます。暗い夜空から町を見おろしたニルスは、はじめ、それがなにかわかりません。ふと〈マグレ岩〉の伝説を思いだし、いま下に見えている怪しげな景色も、〈マグレ岩〉みたいなものだろうかと考えてしまうのです。

さて、その〈マグレ岩〉は、ブレーキンゲ地方との境に近いスコーネ地方にあります。伝説によれば、この岩の下にトロルが住んでいて、年に一度、クリスマスイヴになると、ごちそうを要求するために、金の柱に支えられているこの岩を持ちあげるのだそうです。

〈マグレ岩〉から程近いトロッレ・リュングビー城には、トロルから手に入れたとされる角笛(杯になる)と笛(両側から吹ける)がのこっており、夏の間だけ 中庭に面した窓に飾られて、一般の人でも見られるようになっています。もちろん、私も窓にはりつくようにして、中をのぞいてみました。写真も撮ったのですが、ガラス越しだったので、反射してしまって、あまりうまく撮れませんでした。うーん、残念。それでもともかく、伝説の宝物を実際に目にすることができ、 立ち寄ってみて本当によかったと思いました。なによりも、この城は濠に囲まれた、とても美しい、趣のある館でしたから。
(2007年9月19日)