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fuusya.jpgエーランド島の続き

オッテンビーの王領地の北側、一般の土地との境に続くのが、左の写真の石垣です。この石垣は、領地内の鹿が一般の人の土地を荒らすのを防ぐために、国王カール10世により、1653年に作られました。

ニルスの物語では、この石垣の陰で、モルテンがハイイロガンのドゥンフィンと出会ったという設定になっています。恋に落ちたモルテンは、ニルスにうそをついてまでドゥンフィンを助けようとします。一方、ガンたちと旅をするようになってから、ニルスはいろいろと人助けをしてきましたが、この場面では初めて純粋に、自分の利益とは関係なく、この傷ついたハイイロガンを助けたいと思います。ドゥンフィンにモルテンをとられるのではないかと、やきもちさえ妬いていたニルスの心が、一瞬にして変化を遂げる実にいい場面です。

ところで、風の強いエーランド島では、昔から風車が活躍してきました。最近では、木造の古い風車にかわって、近代的な白い風車がふえているようです。 「エーランド島は大昔、大きな蝶だった」という老羊飼いの話をニルスが立ち聞きするのは、風車の階段の下でした。今でも島のところどころで古い風車を見かけますが、壊れかけているものも少なくなく、左の風車は羽の部分がもうなくなっていました。
(2008年5月3日)