もと船乗りのセーラーと犬のペッカの日常が淡々と描かれます。そこはかとない可笑しさが忘れられない世界です。
1.セーラーとペッカ、町へ行く
2.いったいどうした?セーラーとペッカ
3.セーラーとペッカの日曜日
4.セーラーとペッカの運だめし
5.セーラーとペッカは似た者どうし
2007年、偕成社より刊行予定。邦題は変更になる場合があります。
現在、翻訳中のシリーズ絵本「セーラーとペッカ」の作者、ヨックム・ノードストリュームさんが10月初め、奥様のカーリンさんとともに来日されまし た。といっても場所は大阪、しかも数日のご滞在だといいます。それでも、ぜひともヨックムさんに日本語版のデザイン案を見ていただきたいと思い、担当編集 者の広松さんといっしょに、デザイナーからあがってきたばかりの見本を持って、大阪まで飛んでいきました。
「セーラーとペッカ」シリーズは、全5冊からなるヨックムさん唯一の絵本作品です。1作目の『セーラーとペッカ、町へ行く』がスウェーデンで刊行
されたのが1993年。私は、その夏たまたまストックホルムの書店で見つけて、この絵本にひと目惚れしました。その後、2作目(1994年)、3作目
(1995年)と新しい本が出るたびに、ますますヨックム・ワールドに惹きつけられ、いつかこのシリーズを訳したいなあ、と密かに夢をふくらませていまし
た。
一方、編集者の広松さんは、昨年ストックホルムを訪れたさい、現代アーティストとして幅広く活躍するヨックムさんの壁画をホテルで見て、やはりひと目惚
れしてしまったそうです。そしてさらに「セーラーとペッカ」の絵本と出会い、このシリーズをぜひ日本で出版したいと思ったとのことでした。
さて、実際にお会いしたヨックムさんは、とても気さくで、親切で、おまけになかなかのハンサムで、日本語版のアイデアをとても気に入ってくださり、打ち合わせはとんとん拍子に進みました。ランチをごいっしょしたあとは、中之島の国立国際美術館へ行き、カーリンさんが出展なさっている「エッセン シャル・ペインティング」を一般公開より1日早く見せていただきました。実は今回のおふたりの来日は、カーリンさんが展覧会のオープニング式に招聘されてのことだったのです。おかげで、ヨックムさんにお目にかかれただけでなく、スウェーデンを代表する現代画家カーリン・マンマ・アンダーソンの世界にも触れられ、とても充実した大阪での1日を過ごすことができました。
肝心な日本語版の方は、ヨックムさんからGOサインをいただいたので、あとは5冊平行して作業を進めるばかりです。来年初夏の刊行をめざして、私ももうひと頑張りします。
「エッセンシャル・ペインティング」は、国立国際美術館で12月24日まで。カーリンさんの名字Anderssonはスウェーデン語読みではアンデションですが、ここでは展覧会の図録に従いアンダーソンと表記しています。