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IMGP1384.JPG講演会などでスウェーデンの地理を説明するとき、私はよく日本との比較をしてみます。たとえば、面積について。「スウェーデンの面積は、日本の面積の約1.2倍です」というように。ただし、これはあくまでも陸地部分の比較であって、海の面積を入れると、日本のほうがずっと広くなってしまいます。

日本は、陸地の面積では、世界で60番目くらいですが、海の面積、つまり領海と排他的経済水域を合わせた海洋面積は、世界で6番目となり、陸と海を合わせると、世界で9番目に広い国なのです。世間ではよく、「日本は小さな島国」という言い方を耳にしますが、世界で9番目であれば、そんなに小さくもない、と私は思うのですが......。

さて、海が広いということは、海の恵みを多く受けられるということを意味します。漁業はもちろんのこと、南鳥島(日本のいちばん東にある島)付近にあるレアアース、太平洋だけでなく日本海にもあるメタンハイドレード、尖閣(せんかく)諸島付近の石油といった、世界的にも貴重な資源が、日本の海にはねむっている、と言われています。ですから、世間でこれもよく耳にする、「日本は資源のない国」という言い方も、最近では、どうも違うぞ、という気がしてなりません。

日本は、「資源のない小さな島国」ではなくて、本当は、「資源豊かな海洋大国」なのではないでしょうか。